これまで大和鋼業では、全社集会の場で社長が経営ビジョンを「話すだけ」というスタイルが一般的でした。しかし、どれほど熱く語っても、一方的な伝達では社員の「自分事」にはなりにくいものです。
そこで導入されたのが、全16項目の経営ビジョンのうち10項目をビジュアル化した「オリジナル紙芝居」です。当日まで伏せられていたこの試み。アナウンスとともに社長自らが演じ始めると、会場の従業員はまさに「鳩が豆鉄砲を食ったような反応」を見せたといいます。しかし、その驚きはやがて強いインパクトへと変わり、社長の想いは「体温のある言葉」として現場へ深く浸透していきました。
さらに特筆すべきは、残りの項目を中堅社員たちが主体となって紙芝居化したことです。「今の仕事のどこに理念が宿っているか」を自ら問い、物語に紡ぎ出す――。このプロセスこそが、形骸化した理念を「私たちの物語(ナラティブ)」へと書き換える、紙芝居メソッドの真骨頂です。
伝統ある製造現場の絆を、アナログの力で再定義する「PX(ペーパー・トランスフォーメーション)」。この試みは、組織の呼吸を一つに同期させる新しい風となりました。

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